こまえクリニック「不妊ルーム」は、不妊で悩んでいる方の
カウンセリング、フォローアップをおこなっております。

このブログでは、「妊娠へのヒント」「日々の気づき」など
をアップしております。

Archive for 5 月, 2009

松川町の保健師さん

5月16日に「こまえクリニック開院10周年の集い」を行ったことを、
このブログで先日報告しました。

大勢の来場者の中に、昨年の3月、私が講演に出向いた、
長野県松川町の保健師さんの姿がありました。
彼女は挨拶の中で、松川町で毎年発行する母子手帳の数は、
80〜90冊程度だったのですが、平成20年度は、
はじめて100冊を超えましたと報告されました。

私はこの話しを聞いて、直接その土地に足を運んで、
人々に話かけることの大切さも実感しました。
保健師さんが、かつて私に述べた
「小さな声を事業に変えていくのも行政の役目だと思う」
という言葉が脳裏によみがえってきました。

私は医師ですから、医療を通して人々とコミュニケーションを
取ることが基本だと思っています。
しかし、本を通して思いを伝え、また直接人々に話かけることも大切なのだと
再認識させられました。

私が本の中で述べ、そして講演会でお話することは、
常日頃「不妊ルーム」で相談に来られる方との経験がもとになっています。
こうした中で、私が大切と感じること、印象に残ったことを、人々に伝えるのも、
大切なミッションだと思うのです。
そしてその経験をまた、「不妊ルーム」でのカウンセリングに生かしている
つもりです。

松川町の母子手帳の数が増えたことも嬉しいのですが、
3月、4月は、「不妊ルーム」で12名もの方が、それぞれ妊娠されました。
5月は苦戦するだろうと予想していたのですが、その予想に反して、
4月を上回るペースで妊娠が出ています。昨年から始めた新しい取り組みの成果が、
現れてきているのかもしれません。
5月の妊娠については、このブログで後日報告したいと思います。

もし、あなたがこどもを持ちたいのに授かれない、不妊治療で迷子になってしまった、
不妊治療が大きなストレスになってきた、などという思いがあれば、難しく考えずに、
「不妊ルーム」のドアをノックしてみてください。
有益なお話は必ずできると思います。

私が「不妊ルーム」で行えることは、たくさんあると思う今日この頃です。

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フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」社が発行する
レストランのガイドブックがあります。
一昨年日本に初上陸し、東京のレストランのランク付けをおこないました。
「フランス人に、寿司や和食の味がわかるのか!?」ということで、
何かと議論も呼びましたが、賛否両論、いろいろな意見があるようです。
2009年版も発売になりました。

ところで、このガイドブックに関して、星の数のみが
非常に注目されているように思います。
星の数で料理の味を評価し、最高が3つ星、
そして2つ星、星1つとなるわけです。
しかし、この本でもう一つ注目すべき点だ思うのは、「フォークの数」です。
フォークの数は、レストランという空間の快適度を示す指標で、
フォーク5本から1本までの5段階評価がなされています。
フォークの数が多いほど、そのレストランは満足できる空間
である可能性が高いというわけです。

私はときどき、不妊治療の医療機関も、ミシュランのような評価ができないか、
そんなことを思います。
星の数はいうまでもなく、その医療機関の実力、すなわち「医療力」です。
体外受精などの高度生殖医療をおこなう医療機関を例にとれば、
医師、看護師、そして、エンブリオロジスト(胚培養士)の総合力
ということができると思います。
優秀な腕を持ち、体外受精に対応できる常勤の医師が2名以上いること、
そして胚培養士5名以上が、星1つの最低ラインでしょう。

そして、ここで強調したのは「フォークの数」という視点です。
ホームページなどを閲覧すると、どの不妊治療の医療機関も
「ウチのシステムはこんなに優れています」
「患者さんに親身に対応しております」
などということが書いてあります。
しかし、実際に受診された患者さんは、
実態はホームページの内容とは異なっていたと、
しばしばお話しされます。

私がフォークの数に注目したいのは、最近「不妊治療インフラ」
ということを考えるようになったからです。
不妊治療、とりわけ体外受精、顕微授精などの高額の医療を経験された方から、
「医師からではなく、胚培養士から丁寧な説明を受け、
フォローしてもらったことが、
不妊治療を継続できた最大の理由でした」とか、
複数の医療機関で体外受精を経験された女性が、
「体外受精という同じ医療を受けるのに、心理状態に
こんなにも雲泥の差があるのはなぜか? 世の中の不妊治療を受ける女性、
特に体外受精をこれから考えている人達に知ってほしい」
私はそうした訴えを多く耳にするようになりました。

体外受精を受ける皆さんは、その医療機関の胚培養士さんに、
卵のことなどをいろいろと質問してみてください。
そして、にこやかに丁寧に説明をしてもらえるか、
大きな大きなチェックポイントです。
また、体外受精説明会を例にとっても、
ビデオを流して1時間弱で終わりというものから、
医師自らが2〜3時間かけて、スライドを使って
親切に解説するというものまでさまざまです。
私が「不妊治療インフラ」を考えるしだいです。

エッグ・ハンター

先日、体外受精を精力的におこなっている不妊治療の先生と、
じっくりと話をする機会がありました。
この先生は、体外受精の採卵を、自然周期、低刺激周期で行っています。
 
彼が言うには、「薬を一切使わない自然周期の卵が、質が一番いい。
できることなら、将来的には、すべて自然周期採卵でおこないたい」と、
考えているとのことでした。

ご存じのように、体外受精における採卵のメインストリームは、
「ロング法」「ショート法」です。
この2つの方法は、排卵誘発剤を多用し、卵巣を強く刺激して、
より多くの卵を成熟させます。
そして、すこしでも多くの卵を採取し、良好な受精卵を子宮にもどすというものです。
しかしながら、こうした排卵誘発剤の多用は、卵巣に強い負荷をかけることになり、
卵巣過剰刺激症候群の発生もまれではありません。

そうした中で、最近この先生のように、「量より質」の自然周期、
低刺激周期での採卵を行うという医療機関が、少しずつ増え始めてきました。
自然周期採卵をおこなうことは、排卵するたった一個の卵を、排卵前に採取して、
受精卵として子宮の中に戻すことですから、きわめて高い技術が要求されます。

私自身、その先生との対話から、どのタイミングで採卵針を刺して卵をとるのかとい
うことを、
時間刻みで追っかけているという印象を強く持ちました。
まさに一個の卵を、ベストの状態でゲットする「エッグ・ハンター」です。

あらかじめ決めた日時に採卵を行う、ロング法、ショート法をおこなう医師と、
体外受精に対する志の高さの違いを感じざるを得ませんでした。

私の著書にも書いていますが、体外受精は医療機関選びがすべてです。
私が「不妊ルーム」で開設している「IVFカウンセリング」で行うべきミッションが、
まだまだ沢山あると痛感した次第です。

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DHEAと卵の質

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最近、当院ではDHEAを使用することによって、妊娠される方が、
少しづつではありますが増えてくるようになりました。

DHEAとは、男性ホルモン(テストステロン)や、
女性ホルモン(エストロゲン)の材料になる物質と考えていいと思います。
人は年をとると、男性ホルモン、女性ホルモンが低下してきます。
その理由の1つが、体内のDHEAの減少にあるとも言われています。

ある不妊治療のなかでも体外受精にに力をいれている医療機関で、
高齢で、FSHの高い女性に、DHEAを投与したところ、
質の良い卵が採れるようになったそうです。

そして私は、文献を調べてみたのですが、海外の論文で、
DHEA投与によるFSHの低下がたくさん報告されていることがわかりました。
私はDHEAによって良い卵が採取できるのであれば、DHEAによって、
良い卵が排卵され、妊娠しやすくなるのではないかと考えたわけです。

幸いなことにDHEAの濃度は、採血によって測定することができます。
私は35歳以上で、生理中のFSHの高い女性のDHEAの値を測定し、
その値が低い場合、DHEAの補充を始めるようになりました。

その成果が最近になって、少しづつ出始めている気がします。
実際、妊娠に至らないまでも、DHEAの投与によって、
生理中のFSHの値に改善傾向が認められるというケースは、
多いという印象を持っています。

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開院10周年の集い

5月16日土曜日夕方に、当院の開院10周年記念の集いを都内で行いました。
ささやかな集いにするつもりだったのですが、実際には120名近い方々が
おみえになり、大変にぎやかなものとなりました。

不妊治療に携わっておられる婦人科の先生方も大勢来られ、いろいろと有益な
お話ができました。また、当院の「不妊ルーム」でフォローアップし、
その後妊娠された女性が大勢子供を連れておみえになり、
本当に感慨深いものがありました。

また、不妊治療の最前線に関するホットな話題もうかがうことができました。
不妊治療の最前線で活躍されている先生方の情熱が、ヒシヒシと伝わってきました。

私自身は、これからも「不妊治療だけが妊娠に至る道ではない」というスタンスを
崩すことなく、そして、優秀な不妊治療の先生方との連携もより一層深め、
「不妊ルーム」を運営していきたいと思っております。
こうした決意を新たにする有意義な集いでもありました。

当日、司会を務めてくださった女性が、そのパーティーの模様を
ご自身のブログの中で紹介してくださっています。
下記をクリックしてみてください。

開院記念の集い
のようす

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