エッグ・ハンター
23 5 月 2009
先日、体外受精を精力的におこなっている不妊治療の先生と、
じっくりと話をする機会がありました。
この先生は、体外受精の採卵を、自然周期、低刺激周期で行っています。
彼が言うには、「薬を一切使わない自然周期の卵が、質が一番いい。
できることなら、将来的には、すべて自然周期採卵でおこないたい」と、
考えているとのことでした。
ご存じのように、体外受精における採卵のメインストリームは、
「ロング法」「ショート法」です。
この2つの方法は、排卵誘発剤を多用し、卵巣を強く刺激して、
より多くの卵を成熟させます。
そして、すこしでも多くの卵を採取し、良好な受精卵を子宮にもどすというものです。
しかしながら、こうした排卵誘発剤の多用は、卵巣に強い負荷をかけることになり、
卵巣過剰刺激症候群の発生もまれではありません。
そうした中で、最近この先生のように、「量より質」の自然周期、
低刺激周期での採卵を行うという医療機関が、少しずつ増え始めてきました。
自然周期採卵をおこなうことは、排卵するたった一個の卵を、排卵前に採取して、
受精卵として子宮の中に戻すことですから、きわめて高い技術が要求されます。
私自身、その先生との対話から、どのタイミングで採卵針を刺して卵をとるのかとい
うことを、
時間刻みで追っかけているという印象を強く持ちました。
まさに一個の卵を、ベストの状態でゲットする「エッグ・ハンター」です。
あらかじめ決めた日時に採卵を行う、ロング法、ショート法をおこなう医師と、
体外受精に対する志の高さの違いを感じざるを得ませんでした。
私の著書にも書いていますが、体外受精は医療機関選びがすべてです。
私が「不妊ルーム」で開設している「IVFカウンセリング」で行うべきミッションが、
まだまだ沢山あると痛感した次第です。
