不妊治療と「ミシュラン・ガイド」
26 5 月 2009
フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」社が発行する
レストランのガイドブックがあります。
一昨年日本に初上陸し、東京のレストランのランク付けをおこないました。
「フランス人に、寿司や和食の味がわかるのか!?」ということで、
何かと議論も呼びましたが、賛否両論、いろいろな意見があるようです。
2009年版も発売になりました。
ところで、このガイドブックに関して、星の数のみが
非常に注目されているように思います。
星の数で料理の味を評価し、最高が3つ星、
そして2つ星、星1つとなるわけです。
しかし、この本でもう一つ注目すべき点だ思うのは、「フォークの数」です。
フォークの数は、レストランという空間の快適度を示す指標で、
フォーク5本から1本までの5段階評価がなされています。
フォークの数が多いほど、そのレストランは満足できる空間
である可能性が高いというわけです。
私はときどき、不妊治療の医療機関も、ミシュランのような評価ができないか、
そんなことを思います。
星の数はいうまでもなく、その医療機関の実力、すなわち「医療力」です。
体外受精などの高度生殖医療をおこなう医療機関を例にとれば、
医師、看護師、そして、エンブリオロジスト(胚培養士)の総合力
ということができると思います。
優秀な腕を持ち、体外受精に対応できる常勤の医師が2名以上いること、
そして胚培養士5名以上が、星1つの最低ラインでしょう。
そして、ここで強調したのは「フォークの数」という視点です。
ホームページなどを閲覧すると、どの不妊治療の医療機関も
「ウチのシステムはこんなに優れています」
「患者さんに親身に対応しております」
などということが書いてあります。
しかし、実際に受診された患者さんは、
実態はホームページの内容とは異なっていたと、
しばしばお話しされます。
私がフォークの数に注目したいのは、最近「不妊治療インフラ」
ということを考えるようになったからです。
不妊治療、とりわけ体外受精、顕微授精などの高額の医療を経験された方から、
「医師からではなく、胚培養士から丁寧な説明を受け、
フォローしてもらったことが、
不妊治療を継続できた最大の理由でした」とか、
複数の医療機関で体外受精を経験された女性が、
「体外受精という同じ医療を受けるのに、心理状態に
こんなにも雲泥の差があるのはなぜか? 世の中の不妊治療を受ける女性、
特に体外受精をこれから考えている人達に知ってほしい」
私はそうした訴えを多く耳にするようになりました。
体外受精を受ける皆さんは、その医療機関の胚培養士さんに、
卵のことなどをいろいろと質問してみてください。
そして、にこやかに丁寧に説明をしてもらえるか、
大きな大きなチェックポイントです。
また、体外受精説明会を例にとっても、
ビデオを流して1時間弱で終わりというものから、
医師自らが2〜3時間かけて、スライドを使って
親切に解説するというものまでさまざまです。
私が「不妊治療インフラ」を考えるしだいです。

