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排卵日検査薬 入手容易にし少子化対策を

 6月から改正薬事法が施行された。排卵を前もって予測する排卵日検査薬は、それ
までも医師の診断を経た上でないと入手できない医療用医薬品だったが、実質的には
ドラッグストアでも容易に入手できていた。しかし、新薬事法の施行に伴い、薬剤師
が常駐する薬局のみでの販売となり、購入者が直接手に取れない場所での保管を義務
づけるなど販売方法が厳格になった。

 不妊に悩む女性が増えている中で、排卵日検査薬は、家庭でできる妊娠対策のツー
ルである。私は自らの不妊治療の患者体験から、9年あまり不妊の相談に応じてきた。
そして、「基礎体温表」と「排卵日検査薬」という2つのツールの併用により、不妊
に悩むカップルが多数妊娠に至ることを、これまでの症例から実感している。しかし、
現在当院には、ホームページ経由で、排卵日検査薬が入手しにくいという問い合わせ
メールが、数多く届いている。

 不妊診療においては、その初期の段階でタイミング指導ということが行われる。こ
れは超音波検査で、卵巣内の卵胞(卵子を包んでいる袋)を観察し、その大きさから
排卵日を予測し、夫婦生活のタイミングを指導するものである。排卵日検査薬を用い
てタイミングを計ることは、医療に頼ることなく、いわばカップル自らがおこなえる
タイミング法なのである。そうした観点から、私はこれまで、「基礎体温表」と「排
卵日検査薬」の有用性を、日常診療はもとより、著作物、そして講演会活動などを通
して訴えてきた。

 今わが国では少子化対策が緊急の課題となっている。少子高齢化社会は先進国共通
の悩みではあるが、その対策においては、日本は1歩も2歩も遅れている。少子化対
策の一環として、体外受精などの高度生殖医療に対する公的助成が行われている。し
かし、体外受精1回あたり、出産に至るのは15%強であり、有効性には限界がある。
そのはるか裾野の人々を支援することが、より有効な少子化対策となることは論を待
たない。

 排卵日検査薬は内服薬ではなく、尿を用いた検査試薬である。人体に無害であるこ
とはいうまでもなく、乱用のしようもない。同じ製造工程を経て生産される妊娠検査
薬は、一般用医薬品の第2類として、これまで同様にドラッグストアなどで容易に入
手可能である。排卵日検査薬を医療用医薬品から医師の処方箋なしで入手できる一般
用医薬品に分類を変更し、妊娠検査薬と同じように第2類か、リスクの低い第3類に
指定して、ドラッグストアやコンビニでも容易に買えるようにすべきである。そのこ
とが、極めて効果的な少子化対策になると私は信じてやまない。

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