カバサールと高プロラクチン血症
24 10 月 2009
不妊に関係する病気のひとつに、高プロラクチン血症があります。高プロラクチン血
症とは、読んで字のごとく、プロラクチンというホルモンの血中濃度が高い状態をさ
します。プロラクチンは、別名「乳汁分泌ホルモン」と言われるように、妊娠の後期
から分泌が盛んになり、乳腺の発達を促し、子供の産まれた後の授乳に母体が備える
わけです。
妊娠していないのに、このプロラクチンの値が高いと、不妊になりやすいのです。こ
の高プロラクチン血症に対する治療として、以前よりテルロン、パーロデルという薬
が使われてきました。
そして、4〜5年前から高プロラクチン血症の治療に、「カバサール」という薬を処
方する医師が増えてきました。カバサールの特徴は、何よりも服用が一週間に一回で
いいという点があげられます。そして、同じ高プロラクチン血症治療薬の、テルロン、
パーロデルで時々認められる、吐き気などの消化器症状の副作用がほとんどないとい
う点も、この薬が急速に普及してきた理由の1つです。
しかし、私はこのカバサールという薬は、原則使いません?ぜ使用しないかという
と、カバサールを服用中で当院に相談にみえられる方のプロラクチンの値を測定して
みると、多くのケースで、プロラクチンの値が下がり過ぎた「低プロラクチン血症」
になっているのです。
プロラクチンの値が高すぎれば、不妊と関係しますが、逆に低すぎても妊娠しずらく
なるのです。さらにいうと、”一週間に一回の服用で済む ”ということは、薬を今
日やめたからといって、明日からプロラクチンの値が上昇してくるわけでもありませ
ん。すなわちカバサールは、”血中濃度のコントロールが難しい薬 ”とも言えるわ
けです。もちろんカバサールの服用が、適している人がいることも事実です。
高プロラクチン血症で相談にみえる方で、経験するのは、こうした治療開始後に、医
療経過の血中濃度測定が行われていないというケースが、とても多いということです。
もし、あなたが高プロラクチン血症の治療を受けているのであれば、数ヶ月に一度は
プロラクチンの値を測定してもらうよう、先生にお願いしましょう。
