漢方薬の不思議
16 3 月 2010
「不妊ルーム」で漢方薬を使い始めてから、10年あまりの歳月が流れました。そして
漢方薬は今日まで、「不妊ルーム」での1,155名の妊娠(2010年3月15日現在)
に大きな貢献をしています。そして私は漢方薬というのは、つくづく不思議な薬だと
最近思います。
例えば、不妊診療の現場で「当帰芍薬散」という漢方薬が頻用されます。私も「当帰
芍薬散」をよく使います。ところが同じ「当帰芍薬散」という漢方薬でも、A社とB社
では漢方薬の構成成分が異なっています。もちろん味も違います。メーカーによって
構成成分が違うことについて、製薬会社のMRの方に訊ねたところ、よりどころとする
中国の文献の違いによるという説明を受けました。
さらに言うと、メーカーが違うと、患者さんの効果も実際に違うという印象を私は強
く持っています。このようなことがおきるのは、どの産地の生薬を使用するのか、ど
のような製法でフリーズドライ化するのかなど、いろいろなことがメーカー間で違っ
ているからでしょう。
また同じメーカーの、同じ名前の漢方薬でも、処方した時期によって味が違っている
という指摘を、「不妊ルーム」へ通院されている複数の女性から受けたことがありま
した。この話は私の著書『妊娠力』のコラムに書きました。そしてその答えは、ある
生薬の収穫時期の違いによるという説明を、メーカーの方から受けました。
私は漢方薬を使い始めた当初、メーカー選びにも慎重のうえにも慎重を期しました。
現在私が主に使っている漢方薬は、医師が保険適用で使う漢方薬としては、シェアの
小さなメーカーのものです。しかし、そのメーカーのMRの方が言うには、「当社は医
療用からではなく、漢方薬専門店に薬草を仕入れることからスタートした会社です」
とのことでした。
現在もこのメーカーの漢方薬で多くの方が妊娠しているわけですが、何が奏功してい
るのか、本当のところ私にもうまく説明ができないのです。やはり漢方薬というのは、
不思議な薬なのでしょう。
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