こまえクリニック「不妊ルーム」は、不妊で悩んでいる方の
カウンセリング、フォローアップをおこなっております。

このブログでは、「妊娠へのヒント」「日々の気づき」など
をアップしております。

Archive for 5 月, 2010

DHEAと体外受精

「不妊ルーム」で妊娠されたわけではありませんが、うれしい妊娠の報告をさせてい
ただきます。

38歳のHさんは、昨年の暮れに「不妊ルーム」に相談にみえました。彼女はそれま
でに、人工授精を10回、その後体外受精を3回経験されていました。大変疲れた様
子でもあったので、しばらくはクールダウンと、子宮や卵巣を休めることを提案しま
した。そして、最初は漢方薬からのフォローアップを開始しました。

「不妊ルーム」では、37歳以上の女性には、DHEAの値を調べることにしています。
彼女の数字を調べたところ、低い値でしたので、DHEAサプリメントの服用もおこなう
ことにしました。DHEAサプリメントを服用してもらうと、ほとんどの例で、血液中
のDHEAの値が上昇してきます。もちろん、そのまますぐに妊娠ということではありま
せんが、、、。

しばらくすると、彼女のDHEAの値が、私が理想と考えている数字の範囲内になってき
ました。そして、彼女はそのような状態で、これまで3回体外受精を行った同じクリ
にニックで、4回目の体外受精にトライし、この度無事妊娠となりました。

私がDHEAの存在を知ったのは、体外受精に力を入れているある医療機関のHPの
「DHEAサプリを服用するといい卵が取れる」というのがきっかけでした。そうである
ならば、高齢の女性でもDHEAサプリを服用しながらタイミング法を行えば、いい卵が
排卵され、妊娠に至るのではないかと考えたからです。

DHEAサプリを服用されている方は、37歳以上の方が多いので、どんどん妊娠される
というわけではありませんが、このサプリを使用する前に比べて、妊娠される方が増
えてきたことは間違いのない事実です。「DHEAサプリを服用するといい卵が取れる」、
Hさんはまさにそのような経過となりました。とにかく彼女は、39歳を目前に妊娠
となりましたので、私も心から喜んでいます。

「不妊ルーム」でも、DHEAサプリは、漢方薬とともに力強いサポーターです。実は、
5月の「不妊ルーム」は本当に調子がいいのです。後日ご報告させていただきます。

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ステップアップとステップダウン

不妊治療の医療機関のドアをノックすると、通常検査と治療がほぼ同時進行ではじま
ります。そして不妊治療のメインストリートと考えられているのが、「ステップアッ
プ療法」という考え方です。

第一段階のタイミング法は、経膣超音波検査により卵胞を計測し、排卵日を予測し、
夫婦生活を持つタイミングを指導するという方法です。この治療が通常半年〜1年間
行われ、それでも妊娠しなければ、第二段階の人工授精に移行します。人工授精とは
名前から非常に人為的操作の強い治療の印象をうけますが、その実体はご主人の精液
を洗浄、濃縮し、パートナーの子宮の中にいれるというものです。この治療も通常5
〜10回程度行われるというのが一般的です。そして、この第二段階でも妊娠しなけ
れば、体外受精、顕微授精などの高度生殖医療とよばれる第三段階の治療に移行しま
す。

ステップアップ療法の問題のひとつは、タイミング法と体外受精などの高度生殖医療
との間に、人工授精というステップが存在していることです。人工授精のなによりも
問題は、一回当たりの妊娠率が5%前後と極端に低いことです。したがって人工授精
を延々と繰り返すことは、女性を追いつめることになりやすいのです。人工授精を数
多くを経験した人の話を聞くと、最初の2〜3回は妊娠への期待を持つのですが、5
〜6回目ともなると惰性的な気持ちとなり、10回を超えたあたりからは、妊娠は自
分とは無縁のことのように思えてくると言います。また、そうした話を同じ経験をし
た患者さんにすると、ほとんどの人が「その通りです」とうなずきます。

そして人工授精の大きな問題は、妊娠とセックスが完全に切り離されてしまうという
ことです。実際、人工授精をはじめた辺りから、「不妊ルーム」の相談者にもセック
スレスのカップルがポツポツと出はじめてきます。これが第三段階の体外受精ともな
ると、セックスレスのカップルの数は大きく増えてきます。

「不妊ルーム」の経験では、人工授精や体外受精をおこなって妊娠できなかった人が、
「不妊ルーム」での漢方薬による治療のみで、あるいはそれに排卵誘発剤を加えて、
妊娠した人が数多くいます。また、第一子を体外受精で妊娠した女性が、第二子を当
院で妊娠されたという方もまれではありません。ですから不妊治療というのは、決し
てステップアップだけの一方通行ではなく、ステップダウンも大切な妊娠に至る道で
もあるのです。

感想などは、「不妊ルーム」HPからお願いします。
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妊娠レッスンへの道2

話は前後しますが、ホームページに「はからめ通信」というコーナーを設け、妊娠へ
のアプローチに関する記事を随時アップしていた私でしたが、本の出版に向け私の背
中を強く押す小さな事件がありました。

ある雑誌に私は、「不妊治療にはセカンドオピニオンを」という記事を載せました。
この記事を見た読者から、たくさんの手紙やメールFAXを受け取ったのですが、その
メールの中に私にアドバイスを求める一通がありました。そして、そのメールは何回
かに分けて送信されていました。

「ホームページも参照してみてください」という私の返事に対して、「私はパソコン
が無く、携帯からメールを送っています。残念ながらホームページを見ることはでき
ませんが、こうして相談にのってもらえる先生がいるというだけで、安心できます。
どうもありがとうございました」とありました。私に送られてきたメールは、送信字
数が限られていた携帯電話から、数回に分けて送られたものだったのです。そしてこ
のメールは、本執筆への強いモチベーションともなったのでした。

本の出版が決まってからというもの、私は編集者に導かれるままに、そして色々と苦
労を重ね、年が2002年に変わろうとする頃には、一応本の原稿といえるものになりま
した。編集者の言われるままに執筆を続けてきた私でしたが、その最終段階で本のタ
イトルを巡って、私と出版社の関係が緊張したことがありました。

編集サイドが提案したタイトルは『二人でできる不妊治療』『家庭でできる不妊治療』
などといったものでした。私は自らの体験から、本のタイトルに「不妊」「治療」の
文字があった場合、レジに持って行きにくいという直感がありました。ですからタイ
トルにそうした「不妊」「治療」という言葉を入れないものを、私なりに考えていた
のです。『妊娠レッスン』というタイトルは、いわば私が編集サイドの反対を押し切
るかたちで、強引につけたものだったのです。しかしながらあとで振り返れば、『妊
娠レッスン』というタイトルそのものが、とても多くの読者に受け入れられたと思っ
ています。(つづく)

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『妊娠レッスン』への道-その1

基礎体温表を丁寧につけて、排卵日検査薬を併用することで、不妊に悩む女性の多く
が妊娠できること、さらにこれに漢方薬などを併用するとその数が増加すること。こ
のことはとりもなおさず、 ”不妊治療だけが妊娠に至る道ではない ”ということ
を明確に意味していました。

私はこうした事実を世の中人々に知ってもらうことの重要性を、痛感する日々でもあ
りました。とりわけ1人でも多くの不妊に悩む女性、いやこれから妊娠を考えようと
いうすべてのカップルに、知ってほしいという気持ちが日増しに強くなっていったの
です。

私は最初のアクションとして、そうした私の考えを、ホームページに「はからめ通信」
というコラムを設けて、随時アップロードしていきました。その結果、内科のホーム
ページにもかかわらず、不妊に関する記載がだんだんと増えてきたことで、2000年の
始めに不妊関係のコンテンツを編集し、ホームページをこまえクリニック「不妊ルー
ム」として独立させました。そしてホームページ「不妊ルーム」は、訪れてくれるビ
ジターの数も日々増えていき、内科の訪問数を上回るようになりました。

しかしホームページ上に私の考えを述べるということは、インターネットに繋がった
パソコンを持っている人のみがたどり着ける情報でもあった。当時は今ほどインター
ネットが一般的でなく、私はホームページのみで情報提供することに、だんだんとフ
ラストレーションを感じてきたのです。そして、その気持ちは、自然の成り行きで、”
本 ”という形で世の中に広くアナウンスしたいという気持ちに傾いていきました。
しかしながら、私は本などを書いた経験もなく、右も左もわからない状況でした。

2001年のクリニックの夏休みを私は返上する形で、信州の温泉宿にこもり、それ
までの考えをまとめるべく、執筆活動を開始したのです。本として出版できるという
あてがあるわけでもないのに、、、。そして、帰京後に信州の原稿をたたき台として、
更なる思いを書き加えていきました。その原稿のボリュームはその年の秋頃には、か
なりのものになりました。(つづく)

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不妊治療という深い森の中で、 ”ヘンゼルとグレーテル ”にならないための「サー
チライト」はあるのでしょうか? もしあるとするならば、それはいったい何なので
しょうか? 

私が思うに、不妊治療のサーチライトは、医療を受ける側の ”意識改革 ”ではな
いかと思います。医療機関を受診する患者と、それを診る側の医師との間に、どうし
ても「診る-診られる」の上下関係が生じてしまいます。そして、そのことが不妊治
療というものを息苦しくさせるだけではなく、さらなる森の奥へと、さまよい込ませ
てしまうことになりやすいのです。

もし不妊に悩む方が、仮に子供を希望しなかった場合、すべてではありませんが、そ
のカップルは病気ではないことも多いのです。ですからここで、思い切って「患者」
という意識を捨ててみませんか。では、不妊治療を受ける人が、患者でなければ何な
のでしょうか? 私は「消費者」と自らを認識してほしいと思います。不妊治療は、
人工授精の段階から自由診療となります。自由診療は、医師の裁量権が大きくなりま
す。そうであれば、患者の権利も大きくなって当然だと思います。そして大切なこと
は、ただの消費者ではなく、「リテラシーを持った消費者」になることです。そのこ
とがこれからの時代、不妊治療を受ける女性のスタンスとして最も重要です。

リテラシーとは、「目利きになる」ということです。しかし、そんなに難しく考える
必要はありません。医療という専門領域だから難しく考えてしまうのです。例えば洋
服を買う場合を例に考えてみましょう。デパートでの既製服と、オートクチュールで
採寸して作る洋服の、どちらが体にぴったりとフィットするでしょうか? それはい
うまでもないと思います。洋服であればオーダーメイドということができますが、医
療は医師から患者への、ある意味一方通行になってしまいます。ですから、患者の方
から医療をリクエストするというわけには、なかなかいきません。しかし、医師のい
われるままに流されてしまうと、後で大きな後悔が残ることがあります。とりわけ一
回あたりの医療費が40万円以上、100万円を超える医療機関もある体外受精など
の高度生殖医療となると、本当に真剣に考える必要があります。「リテラシーを持っ
た消費者」になることがどれだけ大切かわかってもらえると思います。

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