排卵した卵子が精子と受精できる能力を持つのは、通常24時間以内と考えられています。この時期にタイミングよくセックスを持った場合、女性の膣内には通常1億~3億程度の精子が放出されます。排卵する卵子は1個なのに対して、1回に放出される精子は数億個であり、ここから精子の受精に向けたいわばサバイバル・レースが始まるのです。

まず、精子は子宮の中に移動しなければなりません。そして、精子は膣から子宮へ向けて時間をかけて泳いでいくようなイメージを持つかもしれませんが、そうではないのです。膣内は外界の微生物などから守るため、弱酸性に保たれています。精子はタンパク質が成分であり、酸性の環境下で長時間生存することはできないのです。子宮はその断面をみればわかるように、スポイトのような形をしていますが、膣から子宮内への精子の移動はスポイト現象による、いわば瞬間的な出来事と考えられています。膣から子宮の中へ移動できる精子は通常1%以下しかありません。

子宮にたどり着いた精子は、今度は卵管を目指し、さらに卵管膨大部に待ち受ける卵子へと向かって進んでいきます。通常セックスから卵管膨大部まで、精子が辿り着くのは数十分から数時間の程度の出来事です。精子の受精能力は卵子よりは長く、通常40時間から70時間程度であるが、中には1週間前後生存する場合もあります。

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