ホームページから読みとれる重要な情報として、医療費が明示されているかどうかは重要です。とくに体外受精などの高額医療の医療費を明示することは、ホームページを提供する側の責任だと思います。1回あたり40万円以上する医療なのですから、何に対してどのくらいの料金がかかるということが、詳細に表示されていないようであれば、その医療機関は信頼するに値しないと思うのです。
家を建てる時には詳細な見積書があるでしょうし、給与にも明細があるはずです。体外受精にエントリーするという段階になって初めて、医療費や、妊娠率、生産率を患者さんにアナウンスするというのは、フェアーなやり方ではありません。
最近の動きとして、一部の医療機関から高度生殖医療の費用に対して成功報酬制度という新しい考え方が出てきました。体外受精はいくつかのプロセスに分けて考えることができます。そして、そのプロセス、プロセスに課金するべきでないかという考え方です。
妊娠しても、妊娠しなくても40万円、50万円というのでは、あまりに患者側の不公平が過ぎると私も思います。採卵ができたのであれば、採卵までを課金する。培養して分割に至って初めて培養費代を課金する。胚移植を行えたらそこまでを課金する。そして妊娠が成立して初めて全額を徴収するという考え方です。
たいへん大きな費用を捻出しておこなう医療なのですから、この医療に対して患者側に説明会や時間を十分とって説明をおこなうことは、これをおこなう側の当然の義務であり、十分説明を求めることは患者側の当然の権利です。
残念ながら、患者にパンフレットのみを渡し、判断させるような医師が存在しているのが実状です。こうした現状に対応すべく「体外受精カウンセリング」を6年前から、「不妊ルーム」に開設したのです。
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多くのかたは、子どもを望んで「不妊ルーム」に来院されます。大変印象深いケースですけれども、非常に面白い方もおられるのです。かなり前になりますけれども、ある女性が「不妊ルーム」に相談にこられました。ところがその女性は、椅子にすわると、「私は子どもはいりません」と言うわけです。
それで私が不思議に思って、「子どもがいらないのになぜ、「不妊ルーム」にくるのですか?」と聞きました。彼女が言うには、「私は子どもは欲しくないんだけれども、旦那が子ども、子どもってうるさいのです」というわけです。それで、仕方なしに背中を押されて相談にきた。そういう話なんです。それで、ご本人の検査、ご主人の精液検査を行いましたが、何ら問題となる所見は出てきませんでした。
想像するに、”子どもは欲しくない”という気持ちが、妊娠にネガティブに働いているのではなかろうかと、思ったわけです。何も問題がないわけですから、2~3ヶ月で、その方は妊娠反応陽性が出たわけです。それで私が「あなたは妊娠していますよ」と言いますと、返ってきた言葉が、「ああ、そうですか」そして、その次に出てきた言葉が「これで、フラメンコの稽古はお休みですね」とそういった次第でした。いわゆる感慨とか、そういった様なものがまったく感じられなかったんです。
ところが、その女性というのは、当時クリニックからそんなに遠くない所に住んでいらしたようで、2年くらい経って、たまたまその女性を駅前で私は見かけたわけです。そうすると、2年前とは全く別人になっているわけなんですね。子どもが可愛くて、可愛くてしょうがないと。ちょっとでも歩くと、すぐに追っかけて、「危ないでしょう、○○ちゃん」と言っている。全く同じ人だと思えない。そういった経験も「不妊ルーム」ではしています。
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人間の頭のなかをのぞいてみると、大脳の下の下垂体に視床下部という小さな器官があります。ここは、ホルモン分泌の司令塔の役割をしています。
この視床下部の指令によって、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)などのホルモンが分泌され、卵が成熟し、排卵が起こったり、体温を上昇させる黄体ホルモン(P)の分泌を促したりするわけです。この働きは、脳から卵巣、子宮へと玉突きのように起こるもので、最初に指令を出すのが視床下部なのです。
困ったことに、この妊娠するための重要な役割をもつ視床下部が、とてもデリケートでストレスに敏感なのです。どのくらいストレスに弱いのでしょうか?例えば、イヤな上司に変わったとたん、女性社員の生理が止まってしまったという話はよくあります。
また、有事になって夫が兵役にとられると、その妻たちに非常に高率に無月経が認められるということも知られています。おそらくこれらは、強いストレスやショックを受け、視床下部の働きが乱れたためにおこったと考えられます。
リラックスするということは、視床下部をいたわるということです。そのことが、女性ホルモンの分泌を正常にし、ごく自然に妊娠することにもつながります。だからこそ、あまり思いつめないで、もっとリラックスしましょう!
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不妊治療におけるストレスの正体とはいったい何でしょうか? まだ治療を受けた経験のない方には、きっと想像ができないと思います。これは実際に治療を受けたことのある人にしかわからない、独特のものでしょう。
セックスにのしかかる重圧、医療機関への不信感、年齢的な焦り。体外受精などの高度生殖医療にエントリーすると、高額なお金がかかることや、薬の副作用で体調を崩してしまったこと……みなさん、さまざまな悩みを携えて、「不妊ルーム」のドアをノックされます。
でも、これで確実に妊娠できると確信できるのなら、こんなには悩まないはずです。しかし、たとえ人工授精に踏み切ったとしても、人工授精一回あたりの妊娠率はわずか5~8%程度、体外受精においても20%前後というのが現実です。このまま治療を続けていって、本当に妊娠できるのだろうか? そんな不安が、治療に強いストレスをかけてくるのだと思います。
そして、そのストレスが本来あなたが持っているはずの妊娠力に悪影響を及ぼします。妊娠したいがための悩みが、妊娠を遠ざけてしまうとしたら、なんとも皮肉な話です。
リラックスすることは、妊娠を呼び込むために本当に重要なことです。不妊治療がいやになってやめた途端に、あるいは「不妊ルーム」にステップダウンしたら、妊娠したという話は本当にたくさんあります。きっと、つらかった治療をもうしなくていいと思ったら、ストレスから解放され、リラックスできたのでしょう。
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妊娠を困難にする因子のひとつは、女性の年齢、正確には卵巣内の卵子年齢です。この卵子のエイジングに対しては、「不妊ルーム」では、フォローアップ開始当初から、漢方薬で対処してきました。
女性の生理期間中にFSHを測定し、この値を指標にして、漢方薬で反応を見てきたわけです。女性は35歳を過ぎると、FSHの値が上昇し始めます。この値は、8mIU/ml以下が望ましいとされていますが、40歳を過ぎたあたりから、10以上の人が多くなります。
ここ数年、「不妊ルーム」におけるフォローアップで、37歳以上で妊娠される女性の数がとても増えてきました。それはDHEAサプリメント(以下、DHEAサプリ)を使用してからのことです。DHEAは、女性ホルモン、男性ホルモンの前駆体、すなわち原料と考えられ、DHEAは、加齢と共に減少することが知られています。
DHEAサプリを服用してもらうと、良質な卵が排卵されやすいことが知られています。そこで、DHEAの値の低い女性に、DHEAサプリを服用してもらえば、良質な卵が排卵され、妊娠しやすくなると考えたわけです。さらに、DHEAサプリの使用に積極的になった理由は、1)DHEAの値は採血で簡単に測定できること、2)数値が生理周期の変動を受けにくいこと、そして、3)DHEA測定の検査が健康保険適用など、メリットが多くありました。
また、体外受精などでも、DHEAサプリを服用しての採卵で、良好卵がとれるとの報告もあります。
「不妊ルーム」では、FSH、DHEAなどを指標とし、1人でも多くの女性が妊娠されるよう取り組んでいます。
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